2025/11/03 09:13

*『今秋に収穫』を目標として
お作りしている和栗シリーズですが
大切な革素材を、今は見守っている状態でして
以下は、その内容となります*
人形焼でお世話になっている
革屋さんが、タンナーさんとともに
開発したモノとなります
どちらも、『バケッタレザー』という種類で
少しずつ経年変化をしながら
時を刻んでいく素材
牛革の、これから艶が出てくるよ
おいら和製のバケッタとして頑張るよ!
という、素直に元気な感じの隣で
豚革はうってかわって
随分と、自意識過剰に
はすっている
地味なのに
ありのままの自分を見てほしい
という気持ちで
敢えて顔料を使わない
選択をしたにも関わらず
色もムラもある地肌を透けさせる事に
まだちょっと、躊躇している事すら
隠したいのに隠せない
なんとも、ティーンエイジャーの様な
気恥ずかしさと、もどかしさを
兼ね備えているが故に
是が非でも、経年変化の具合を
見てみたくなる素材となります。
題して
『アオハルバケッタ』
(本当はキチンと、素敵な名前があります)
この、アオハルバケッタは
冒頭で記した通り
作り方も、レシピも
革屋さんとタンナーさん
独自のもので
そのレシピをもとに、恐らくは
革自体の個体差、気温や湿度などの
違いを見つつ、経験値で修正しつつ
作られているのだと思います。
私の革は、今月初めに
仕上がる予定で
とてもとても、
楽しみにしていたのですが
仕上げの直前に
タンナー社長様が倒れてしまい
そのまま意識戻らず
先週、鬼籍に入られたとの
ご連絡をいただきました
レザーフェアで、いつもお目にかかる
モノを作る人々に開放的な印象で
経験の浅い私の、箔の質問にも
快く対応して下さったり
いつかオリジナルの革で
作品を作ってみたいという
目標でもあったので
革屋さん経由ではあれど、
最後、少し関われたのだな
ああ、もっとお話ししてみたかったな、、
と、今週はずっと
やるせない気持ちでおります
仕上げ直前のアオハルバケッタは
工場が再稼働後、落ち着いてから
作っていくそうです。
社長が細かいレシピを携えていって
しまったそうなので
テストしつつ、仕上げるため
時間がかかるかもしれない
と、誠実で丁寧な
ご連絡を頂いております
作り手の記憶を刻まれた
アオハルバケッタは
私の所に届いたら
私にできる1番の良い形で
皆様にお届けできる様にと
型紙や試作を続けております
